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ヴェルエ&ナジャナ

ナジャナ「ん〜…っ!一年ぶりの王都!相変わらずこの時期は人で溢れてるわねぇ。さ〜て、どこから巡ろっかな〜♪」

ヴェルエ「ナジャナ。羽を伸ばすのは構いませんが、羽目を外すのはほどほどに。特にお酒はくれぐれも!飲み過ぎないように」

ナジャナ「はぁい〜。もう耳にタコができるほど聞いたわよ」

ヴェルエ「何度注意しても、毎回泥酔しているのはどこの誰でしょうね」

ナジャナ「あら〜誰かしら〜?うふふ、ネローのお酒も格別に美味しいけど、王都にはいろんなお酒が集まっててつい試したくなっちゃうのよね〜」

ヴェルエ「注意したそばから言い付けを破る気満々ですね。せめて隠しなさい」

ナジャナ「いいじゃない、お祭りなんだし」

ヴェルエ「今でこそこんな祭り騒ぎですが、元は死者の魂が帰るとされる…」

ナジャナ「はいはい、ウンチクはいいの!ヴェルエこそ、こんな日にまでそんな堅苦しい仕事の顔してないで、もっと楽しみましょ」

ヴェルエ「元よりこういう顔です。せっかく多くの貴族家が集まる機会です、挨拶や情報収集、やれることはたくさんありますから」

ナジャナ「も〜!せっかくご当主に自由な時間を貰ったのに。いいじゃない、たまには遊びましょうよ」

ヴェルエ「…遊ぶ…ですか…」

ナジャナ「なぁに、その微妙な顔」

ヴェルエ「いえ…そう言われても何をすべきかよく分からないもので…」

ナジャナ「えっ?なんでもいいんじゃない?ほら、こんなにいろんなお店があるんだし、サーカスだって来てるし」

ヴェルエ「なんというか…遊ぶ、という感覚がよくわからない、といいますか…恥ずかしながらそれらしい経験が無いもので」

ナジャナ「ウソでしょ…!?遊んだことがないってこと!?」

ヴェルエ「ええ、まぁ。昔からオレイノイ家に相応しい執事になることで頭がいっぱいでしたから。同じ年頃の子供と関わることもあまりありませんでしたしね。
…ああ、ですがだからといって、決して同情されるような境遇などではありませんよ。オレイノイのために働くことはこの上ない喜びですし、何かが不足しているとも思っていません。とても充実していますし…そうですね、この仕事そのものがある意味趣味とも言えるのかもしれません。ですので…、うわ!?ちょ…ナジャナ!?」

ナジャナ「行くわよ!遊びに!」

ヴェルエ「は…!?話を聞いていましたか?私は…」

ナジャナ「いいから!私が遊びたいから付き合ってって言ってるの」

ヴェルエ「ナジャナ…。…まったくあなたという人は…。わかりました、では1時間だけですよ」

ナジャナ「やったぁ。じゃあ〜、ヴェルエの奢りね♪」

ヴェルエ「それが目的ですか…。仕方ありませんね、いいでしょう。ただし!お酒以外で、です」

ナジャナ「え〜〜!ヴェルエのケチ〜〜〜〜!!」

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