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ファロ&ヴェルエ

ファロ「おやおや〜〜これはこれはオレイノイの執事さんでは?こんな祭の日にもせっせと情報収集ですか?油断なりませんねぇ」

ヴェルエ「おや、どなたかと思えば。貴方はザラッサスの執事…いえ、副執事、でしたね。
ええ、執事たるものいつ何時も主人と屋敷のことを考えて動くものですから。まさかそちらは油断していたとでも?祭りだからと気を抜いていた…などということは…ありませんよね、もちろん」

ファロ「いやぁ相変わらず執事の鑑ですね。もちろん、油断してはいませんが、適度に力を抜くことの大事さもその加減も心得ていますので」

ヴェルエ「それは良いことですね。先程もっと遊べと部下に言われたばかりなので、見習わなくては」

ファロ「またまた心にもない」

ヴェルエ「いえいえ本心ですとも」

ファロ「そういえば先刻、山向こうのお屋敷からの試合申し込みが受理されたとか。そのための下調べ、といったところでしょうかね」

ヴェルエ「さすが耳がお早い。さて、どうでしょうか。情報というものは広い視野で見なければ大きな波を見落としてしまうものですから。貴方には言うまでもないことでしょうが」

ファロ「いやいや、勉強になります。
まぁ貴方の目的が何であれ、ちょうど良かった」

ヴェルエ「…と言いますと?」

ファロ「いえね、さっきうちの執事を迎えに行ったんですが、どうやらそちらのメンバーに捕まっていたようでして」

ヴェルエ「捕まった…?トラブルは起こさないように言いつけていたのですが…ご迷惑をおかけしたのなら申し訳無い。一体誰でしょう…」

ファロ「トラブルってほどじゃないんですが。広場近くにある酒場の…」

ヴェルエ「ああ、すみません分かりました…。随分ご迷惑をおかけしたでしょう…」

ファロ「まぁ…私はうちのを回収しただけなので、別に。ただ、すっかり酔い潰れていたようで起きなかったんで、そのまま置いてきまして。女性ですし、一応気がかりではあったので。お伝えできてよかった」

ヴェルエ「ありがとうございます、すぐに部下を迎えに行かせます。…よくよく言い聞かせておきますので」

ファロ「いや…貴方も苦労してるんですね…」

ヴェルエ「いえ…それほどでも…。それでは、失礼します」

ファロ「ああ、そうだ。此処で会ったのも何かの縁です、一つ情報を差し上げましょう」

ヴェルエ「情報…?」

ファロ「山向こうの屋敷、輸入武器を大量購入したようですよ。恐らく最速情報です。お役に立つといいのですが。それでは」

ヴェルエ「…ご親切痛み入ります。
……さてさて、何を考えているやら。純粋な親切心…ではないでしょうね。まぁ、少し調べてみましょうか」

ファロ「さぁオレイノイ、大きな波に気付けるかな。気付いて勝つもよし気付かず負けるもよし…お手並み拝見といこうか」

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