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シェノ&ファロ

ファロ「ここもハズレか…ったく、あの人どこいったんだ…、…ん?」

シェノ「…ここ、どこだろ…」

ファロ「げっ…お前…オレイノイの…」

シェノ「…? ……誰だっけ」

ファロ「は?…ああ、仮面してるからか…いや、そもそも覚えてないのか…?…まぁいいか…。分からないならそれでいいです、じゃあ…」

シェノ「ねぇ」

ファロ「呼び止めるなよ…関わりたくながってる空気読め…!…なんですか…?揉め事はご法度ですよ」

シェノ「大通りって、どっち?」

ファロ「…は?なんだ…、迷っていたんですか…屋敷のメンバーはどうしたんです?」

シェノ「ん…一緒に来た子、気付いたら居なくなってた…迷子かな」

ファロ「いやどう考えても逸れて迷子になってんのお前だな?…動物のお友達も今日は留守番ですか」

シェノ「うん…パニックになるからだめだって…ヴェルエが。ベルかピートがいたらすぐわかるのに…。王都の道はうるさいしいろんな匂いがするし複雑で苦手…。この子も迷っちゃったみたい」

ファロ「猫…ですか。着飾っているところを見ると、良家の飼い猫といったところでしょうね…逃げてしまったのかな」

シェノ「この子、人混み嫌いみたいだから…多分人の多い大通りから逃げて来たんだと思う。…逸れた子も、大通りのパレード見たがってたから…出たら多分…会えると思うし」

ファロ「なるほど…仕方ありませんね、分かりました。私も通りの向こうの酒場へ行ってみるところでしたし…大通りへ出るまででしたらご案内しましょう」

シェノ「ありがとう、助かる。…大丈夫だよ、家族のところに連れて行ってあげるから」

ファロ「飼い主が誰だかわかるんですか?」

シェノ「俺は知らないけど…この子が教えてくれる」

ファロ「へぇ…便利な能力ですね」

シェノ「そうでもない…人間はよく分からないし」

ファロ「でしょうね」

シェノ「この子の家族も、もっとわかってあげてほしい…怖いことや、嫌なこと。…こんな服、ちっとも着たくないのにね」

ファロ「まぁ…人間のエゴですから。君のように察する能力がない人間は、想像するしかない。それが自分本位や独りよがりの都合のいいものになってしまうのも、やむを得ないのかもしれません」

シェノ「会ったら教えてあげなくちゃ…こんな変な服やめた方がいいって。あと、臭い香水も嫌がってるって。それから…」

ファロ「ちょっと待った。それを貴族の方にそのまま伝える気じゃありませんよね…?」

シェノ「…? 伝えるよ…?」

ファロ「いやいやいや…!!相手によっては無事に済みませんよ!?君が大丈夫でもオレイノイに迷惑をかけることになります。せめて言葉を選んだらどうです…!」

シェノ「…めんどくさい…。この子のことを思うなら受け入れるべきだ」

ファロ「お前がめんどくさい…!オレイノイはどうでもいいけど、頼むから俺のいないところでやってくれよ…!」

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