
マリーダガー&ベニーマルク
マリーダガー「こらー!!待ちなさーい!!!」
男「しつっけぇなあの女…!!なんてとこ走ってんだ…」
ベニーマルク「ん…?騒がしいな…なにごと?」
マリーダガー「そこのボウヤ、危ないわよ!!」
ベニー「え…」
男「邪魔だ!どけチビ!!」
ベニーマルク「…! うわぁ…!…な〜んて」
男「人混みに紛れちまえば……うおっ…!?な…なんだ…体が…」
マリーダガー「何すっころんでんのよ鈍臭いわね!…は〜、やっと捕まえた…ちょこまかすばしっこいったら。君、大丈夫?怪我ない?」
ベニーマルク「うん、平気。ちょっとぶつかっただけ。お姉さんすごいね、屋根の上走って追いかけてきたの?」
マリーダガー「え?ええ…、そうだけど…。別に…大したことじゃないわよこれくらい」
ベニーマルク「へ〜、すっご〜い!かっこいい〜〜」
マリーダガー「んふ…そ、そう?まぁ、私が本気出したらこんなもんじゃないけどね!…それにしてもコイツ、急におとなしくなったわね。まぁいいわ。ねぇおじさん、私騒ぎになるとまずいから、コイツ警備隊に引き渡しといてくれない?」
ベニーマルク「ねぇねぇお姉さん、あの人何したの?」
マリーダガー「ひったくりよ。それも車椅子の子から!信じらんないわ。身なりからして、いいとこの子っぽかったから狙われたのね。この巾着にも紋章入ってるし。コレ返しに行ってあげなきゃ」
ベニーマルク「車椅子…?ふぅん…。その子は怪我なかったの?」
マリーダガー「ええ、大丈夫みたい。でも一緒にいた男がオロオロするばっかりでほんと頼りないったら!君はあんな風になっちゃダメよ!」
ベニーマルク「ふふ、うん。…あ、そうだ。じゃあ〜、悪い人を捕まえたヒーローのお姉さんにコレあげる」
マリーダガー「え…?あ、ありがとう…。何かしら、お菓子?ーーッきゃああ!!」
ベニーマルク「ぶは、あはは!まさかこんな典型的なビックリ箱に引っかかるなんてね。ザラッサスの戦闘員がそんな隙だらけじゃマズいんじゃないの?」
マリーダガー「あ…アンタ…オレイノイの…!!」
ベニーマルク「やっと気付いた?観察力も足りてないんじゃない?」
マリーダガー「ハア!?そんな仮面つけて仮装してたら分かるわけないでしょ!なによこの子供みたいなイタズラ!」
ベニーマルク「僕まだ13歳のボウヤだし〜。許してお姉さん♡」
マリーダガー「〜〜〜ッ…かっわいくない…!!心配して損したわ!」
ベニーマルク「ごめんごめん。そんなに驚くと思わなかったんだよ。ほら、せっかく取り返した巾着、落としたよ。しっかり持ってなよね」
マリーダガー「アンタがしょうもないイタズラしたからでしょ!」
ベニーマルク「ごめんってば。はい、こっちはちゃんとしたお菓子。…かっこいいって思ったのはほんとだよ。その女の子にとってお姉さんは間違いなくヒーローだね」
マリーダガー「…へ?」
ベニーマルク「じゃ、僕もう行かなきゃ。お姉さんにもいいことありますように。ポラ・カーラ!」
マリーダガー「…なによ、ちょっとは…かわいいところもあるんじゃない…。…でも、このお菓子食べる勇気はないわね…。ファロにでもあげよっと」